独り占め ‐ひとりじめ‐ Windows8対応版
内容紹介
主人公・只野 敦(ただの・あつし)は、どこにでもいる平凡な大学生。ある日、病没した両親に代わって、なにかと面倒を見てくれていた叔父が亡くなり、敦は兄の嵐と一緒に、弁護士事務所の一室に集められる。叔父と懇意にしていた弁護士が言うには、二人にあてた遺言があるという。それによると、「ふたりには自分の経営するアミューズメント施設で働いてもらい、そこで働く2人の女性から認められた人間だけが、遺産を継承する」という内容だった。叔父はビジネスで成功した資産家で、その遺産となれば不動産だけでも億単位のもの。敦は一も二もなくその話を引き受けた。反面、すでに社会人として働き、亡き父の残した会社を建て直している兄にとっては、ひたすら時間をとられる迷惑な話でしかない。けれど遺言には「二人が働かないと」とあるので、兄に降りられるワケにはいかない。敦は兄に懇願して、なんとか週に3日だけ働いてもらえることになった。もちろん、急に兄との情に目覚めたわけではない。叔父の遺産だけが目当てだ。 今まで目の上のたんこぶだった兄を出し抜き、遺産を独り占めにして、さらにはその叔父が信頼していた女たちをも、独り占めにするつもりだったのだ。そう。まずはその二人の女、アミューズメントスポット全体を取り仕切っているという東雲 彩奈(しののめ あやな)と、まだ若いが優秀らしい従業員の柊 夕(ひいらぎ ゆう)というふたりの女を自分のモノにする。兄は、この遺言がテストであり、二人の女は試験官だと思っているようだったが、敦は違った。このふたりの気を引き、手に入れることそのものがテストであり、答えなのだ。金も女も何もかもを手に入れるか、それとも何も得られない徒労で終わるか。つまりはALL or NOTHING。当然、敦は指をくわえたまま何もせずに負け犬になるつもりはない。とりあえず俺は、叔父が遺したというアミューズメントスポットへと向かうことにした……。