シャムロックの花言葉
内容紹介
助けてくれた。傍に居てくれた。
すがった手を放さないでくれた。
だから私は、あなた達だけは絶対に見捨てない――。
すがった手を放さないでくれた。
だから私は、あなた達だけは絶対に見捨てない――。
「最近、北校の雪宮七華が色んな男と歩いているのを見かける」
そんな噂がまことしやかに流れていた。
七華の親友である佐倉恋子は、噂の真相を本人に確認しようとする。
絶対しているはずがない。小さい頃からずっと見てきた友人が、学校が変わったくらいで変わってしまうはずがない。
しかし、1年ぶりに再会した七華の様子は、どこか違っていた。
「私たちの値段って、どれくらいだと思う?」
何かを嘲笑うような口調。
伏せた目線の先に、七華は何を見ていたのだろう。
それから、七華は恋子を避けるようになる。
確かな異変を感じ取った恋子は、噂の中心地である夜の駅前へと向かう。
その一歩は、救いに向かった一歩だったのだろうか。
歪んだ音を立てながら、街の影にある世界が少女たちを誘っていく……