アリスティア・リメイン
内容紹介
そこは、現代日本のようであり、そうではない異なる世界。そんな世界にある一つの都市、その名を「神森(かみもり)」。そこで物語は紡がれる。その世界には当たり前に「魔法」と呼ばれる力が存在し、科学技術と融合したそれは高度に発展していた。一見平和に見える世界でも、その裏では常にイレギュラーが発生している。それは世の常。人はそれを「裏の社会」などと呼ぶが、そこにも確かに生きる者たちがいた。通称「便利屋」。法律に触れないかぎりはどんな仕事でもする何でも屋。そんな職業がこの世界には存在していた。そんな稼業を始めてそこそこ経つ青年がここに一人、いた。その名を「桐島 正義(きりしま せいぎ)」。その名のごとく、便利屋でありながら己の『正義』を信じ貫く ひとつ芯が通った青年である。彼はもともとこの世界における特別な警察組織に属していたが、故あって便利屋に身をやつした。そんな彼はある日、便利屋の仕事がらみで、記憶を持たない謎の少女を保護することになってしまう。自分自身が誰かも分からない謎の少女「ルル」。彼女と正義が偶然出会ったことによって、古に仕組まれた大きな歯車が動き出すことになる。便利屋の助手「春香」。かつての正義の同僚「エルザ」。その後輩である「舞」「杏子」――その歯車は正義の親しい人たちを巻き込み、ゆっくりと動き始める。