籠女の繭 -受胎忍法帖-
内容紹介
舞台は一見何の変哲もない学園。しかしその学園には、夜間のみ活動が許される「忍組(しのびぐみ)」が存在していた。忍者の家系に生まれた主人公・恭一も、「忍組」の生徒の一人だった。もっとも恭一は、「忍」という自分の血統を気に入ってはおらず、不真面目な 学生生活を送っていたのだが……ある時、そんな生活を大きく揺るがす事件が起こった。恭一が以前より憧れをもって見つめていた少女・繭子の身に、危険が迫っているというのだ。首謀者は、この学園の学長だった。「女体回帰」――今や幻となってしまった、実在するとも最早思われていなかった忍術。「生前の記憶を残したまま、再び現世に生まれ出る」という秘 術中の秘術を、死に瀕した学長が発動させたらしい。「記憶を持った胎児」……それを産む「母体」として選ばれたのが、繭子だった。恭一は繭子のため、忌み嫌っていた「忍」として働くことを決意した。果たして恭一は、繭子を護り切ることが出来るのだろうか。それとも―― ……襲い来る刺客たちとの凄絶な忍法合戦が始まる。