お嬢様をいいなりにするゲーム
内容紹介
皆が「御前様」と呼ぶ街の有力者が、孫娘・エミリの為に建てた学園。エミリはそこで、教師すらも意見できない自由な立場にある。そして和也はこの学園で、そんなエミリの「道具」だった。3年前に両親をなくした時、御前様からエミリの在校中の世話をする条件で、自分と妹・千果の生活を保障しようと申し出があった。他に頼る者もいなかった和也は、それを喜んで引き受けた。授業中だろうと休み時間だろうとおかまいなしに、和也の携帯は鳴る。エミリからの、雑用を命じる着信。気の毒そうな周囲の視線と、かすかな嘲笑。和也の学園生活は、あきらかに異常だった。「もう妹につらい思いをさせたくない」その強い思いから、役目を逃れる事も出来ない和也に出来たのは、欲や感情を抑えて辛さを直視しないようにする事だった。何も欲しなくなり、何も感じなくなった和也は、ごく普通に日々を過ごす。しかし自身でも気づかないうちに、心はもう限界まできていた。ある日、和也はエミリの弱みを握る。それでも何も出来ずにいた和也を後押ししたのは、千果の提案した「ゲーム」。わけもわからぬままゲームに勝った和也の胸に、不思議と湧いた欲望の熱。その熱が今、エミリを前にして甦る。「…エミリ様。エミリ様に、僕の命令をきいて頂きます」