祝福の鐘の音は、桜色の風と共に
内容紹介
まだ幼いころ、母親を失った秀治。しかし、秀治は父親とともに、貧しいながらも幸せに暮らしていた。だが、父親は生活費を工面するために借金を重ねていて、ついにはとても返すことのできない額になっていた。二人は夜逃げすることを決意する。そんな二人の前に現れたには、母方の祖父、源三。秀治の母親は名家の令嬢で、父親とはピアノのレッスンで知り合った。そのまま二人は惹かれあい、祖父の反対を押し切り、駆け落ちをして結婚していたのだ。激昂した祖父は母親を勘当し、別の子供に家を継がせようと考える。しかし、男子は生まれず、婿養子を迎えるしかないと考えていたところ、秀治の存在を思い出した。祖父は父親の借金を肩代わりする代わりに、もう一人の孫である従妹のまりあと結婚し、家を継げと言う。しかし、肝心の許婚であるまりあが、そのことを猛反対。秀治も、こういうことはお互いの気持ちを尊重して決めることだと抗議。ならばと、祖父は秀治に一年の猶予を与えることに。それまでに自分の納得する婚約相手を見つけてくるか、肩代わりしてもらった借金を返済するか。借金はたった一年で返済できる額ではない。よって一年以内に祖父が納得する相手を見つけるしかない。そして、秀治は祖父が理事長を務める名門南桜丘学園へと通いながら、祖父の納得のいく嫁探しを始めることに……。