虐襲4
☆ストーリー
ここではない世界のとある大陸
100年近くにも及ぶ権勢を誇った『ギラン帝国』が滅亡し、時代は群雄割拠へと突入した。
数々の強国の中で、『ゴルガ王』率いる北の大国グレイブロはもっとも覇に近い存在であった。
その王子である『グレン・グレイブロ』は次代の王として相応しい活躍をし、
父の覇業を支えていた。
だが、大陸公路の要所であるガリュス国へ侵攻した事が破滅の始まりであった
ガリュス全軍を率いる騎士団長『フレイ・クルール・プリンシペア』。
彼女の手により父王は討ち取られ、
四肢を吹き飛ばされながらも辛うじて一命を取り留めたグレンはガリュスに捕らえられてしまう。
囚われの身となったグレンは、重罪人として<<去勢の刑>>を申し渡され、
民衆の前で男性器を削がれる。
ガリュスは女性上位の国であり、他国の男・・・・・・しかも敵国の男など虫けらも同然だった。
それだけでは終わらず、身動きの取れないグレンに対し行われる、
女達からの死よりも耐え難い屈辱の数々――
地獄のような日々であったが、フレイと再戦し、
討ち倒すという想いだけを心の支えに耐え抜いていた。
女達の性玩具にされ、弄ばれる度に強くなっていく、羨望にも近いフレイへの想い。
しかし、そのフレイ自身から永遠の別れと共に最下層の牢への移送が告げられる。
そこは光の届かぬ地獄のような場所だった。
生きているものは地を這うおぞましき蟲達だけ
彼の中で彼女を討ち倒すという希望は妄想となり、妄想は欲望を色濃いものとする。
いつしか、フレイへの想いは完全に狂い捻じ曲っていた。
「どんな手を使っても打ち倒す・・・
フレイ・・・フレイよ!俺はお前を必ず手に入れてみせよう!!」
妄想だけが身体を満たし、自分の生死も理解できなくなった時、
亡き父王から譲り受けた指輪が暗闇の中で輝き始めた。
「・・・蟲に好かれし男。お前にささいな力を与えてやろう」
黒く歪んだ想いに引き寄せられるように闇の中から現れた男が身体をひと撫ですると、
グレンの身に触手と蟲を操る力が宿る。
顔を上げると男はすでに消え、代わりに左手の指輪――『羅針器』が語り始める。
『…思うがままに進め。今はお前がお前を導く』
その言葉に軽く頷き、グレンは一人の女の名を心に噛みしめ、
≪自分の足≫で牢の外へと歩み始めた。
ガリュスの女達に復讐する為、いや、フレイと再び相見える為に・・・・・・
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