鉄と裸II 敗北の女帝
内容紹介
聖王国【オースティン】の陥落───。
この出来事は、同時に古の大魔術師【アシュレイ=ガーランド】の復活を全世界に知らしめた。
伝説の魔術師の存在をもはや御伽噺のようにしか捉えていなかった現代の人々は、
聖王国のみならず瞬く間に宗教国家【アストリア】や【蜃気楼の森】のエルフの集落までも落とされたと聞いて
その脅威を改めて実感させられ、危機意識を募らせる。
今更世界各国がすぐ一つに纏まるなど極めて難しく、世界は混沌とした様相を呈していた。
しかしこの男にとって侵略や世界征服は本来手段の一つに過ぎず、むしろ面倒事なのである。
どれほどの努力と研鑽を積み重ねてもいまだ解決の糸口が見出せない、生来抱える欠陥。
それを克服するため、種族の壁を取り払って交配を進め、新たな生態系を生み出す事こそが目的なのだ。
そんな中、聖王国より西に位置する女性上位の帝国【ガレス】が軍備の拡大を進めているという情報を掴む。
【ガレス】は独自に研究開発が行われていたという人造亜人なるものが
完成した事がキッカケらしいと知ったアシュレイは、聖王国を忠実な下僕達に任せ、
その研究そのものに興味を持って独自行動を開始する───。