略奪者の淫宴
内容紹介
少年が当たり前だと思っていた毎日は、唐突に壊された。村を襲撃した流浪の盗賊団によって、家族は皆殺し。母と姉に至っては、死の前に盗賊の頭領により慰み者とされた。そして少年は、ただ1人生き残った。――盗賊団の奴隷として。血の滲むほどに拳を握りながら、内心で己に問いかける。「これから、どうする?」すべてを、奪われた。自ら死を選ぶのか。それとも――大事なものを奪い、蹂躙した者たちを許してはおけなかった。自分がどうなってもいい。そのためには力が欲しい。今の自分では幼すぎることを少年は理解していた。だから心の中で刃を研ぐ。いつか来る日に備え、この殺意が錆びついてしまわぬよう。どんな手段を使っても、こいつらを――