手垢塗れの天使
内容紹介
ステージでスポットライトを浴びて輝くアイドル──そんな子供の頃からの憧れだったアイドルへの夢を叶え、新人アイドルとしてデビューした如月嶺衣奈(きさらぎれいな)。しかし、彼女の思い描く輝く舞台への道は遠く、泣かず飛ばずのまま、たいした仕事もない現状が続いていた。華々しい活躍をしている同じ事務所のアイドルたちと自分を比べ、差を感じないのにこの状況はなんなのかと憤る嶺衣奈は、事務所のプロデューサーに直談判を行う。プロデューサーは怒りと焦りを隠せない嶺衣奈を見て、面倒がりながらも1つの言葉を投げかける。「繋ぎは作ってやる──あとは自分で何とかするんだな」突き放すようなその言葉をいぶかしむ嶺衣奈。理解が及ばないまま連れていかれたのは、彼女一人では入ることすらためらうような高級ホテルのレストランだった。そこで待っていたのは、有名企業の重役である一人の男。自らを彩るドレス、舐めまわすような視線。輝かしい舞台に上がるために、今自分が何をしなければいけないのか。そして、彼女はその身を捧げる決意とともに、『アイドル』としての道を歩き出す──