あやかしコントラクト
内容紹介
両親の度重なる転勤で、友人に恵まれなかった雪矢は、両親の海外赴任に反対して、叔父夫婦の住む田舎の学園に転入することを決める。だが雪矢は都会から電車で何時間もかけて着いた宝泉守町の森で道に迷ってしまい、森のヌシとも言うべき大妖怪に助けてもらう。翌朝、雪矢の元にヌシ様の代理を自称するヌイグルミ型のタヌキが現れる。それはショージという名の妖怪だった。雪矢はヌシ様に救われた時に飲まされた特別な水のせいでヌシ様の霊力が備わり、妖怪の姿が見えるようになっていたのだ。ショージは「契約を果たせ」と詰め寄る。雪矢はヌシ様の願いを聞く契約をしてしまっていたのだった。妖怪が見えるようになった雪矢は、そのせいで転校したばかりの学園で失敗ばかり。一人で喋っている不気味なヤツと思われたり、妖怪のイタズラを阻止しようと碧を押し倒して嫌われてしまったり。今度こそ友人を作りたいと思っていたのに、さんざんなことに。契約をさっさと果たしてこの力から解放されようと、ヌシ様の願いである「妖怪たちの悩みを解決」する羽目に。転入した学園のクラスメイトには、まったく超能力のない巫女の紬と、霊謀体質で見えないが気配を感じ取る、だからこそ凄い恐がりの碧、ヌシ様の面影がある巳凪など、個性豊かな女の子達が勢揃い。都会に憧れる一つ下の従姉妹の杏奈も雪矢に懐いてくれる。そして、妖怪の住む鎮守の森に興味を持つ、拝み屋の晴歌とも出会うことに。雪矢はそんな彼女たちと暮らしながら、妖怪達の依頼をなんとかこなしていき、やがて、願望だった友達も出来て、宝泉守町に溶け込んでいく。しかし近代化に伴い、再開発の波が妖怪達の住む森に迫ってくる。雪矢は仲間たちと共に、鎮守の森を守るために奔走していくことになるのだった。妖怪と人間が共存する田舎町。これはそんな妖怪達に好かれた、とある学生の心温まる物語……