閉じたセカイのトリコロニー
内容紹介
『お願い、私と恋人になって!』可愛らしい顔立ちの少女は、俺にそう告白した。それはきっと、普通の男子なら誰もが望んでいる言葉だろう。もちろん俺だって、そんな日が来ることを期待していなかったわけじゃない。ただ、今ここがみんなの集まる教室の真ん中で、相手が出会って間もない転校生でさえなければ。『きっと運命なんだって、私は信じてるの』でもそれ以来、彼女は俺の恋人になった。最初は戸惑いが勝っていた俺の心も、いつしか彼女に惹かれるようになっていた。クラスの友人や、幼馴染も驚いていたようだけど、俺を心から愛してくれる女の子と過ごす日々は、とても心地よいものだったから。そして1ヵ月後……俺は彼女と、一夜を共にすることとなった。『大好きだから……私のこと、忘れないでね』これからも一緒にいようと、二人で誓いの言葉を交わす。そしてまどろみから覚めた時、俺を迎えたのは――――忘れもしない、あの『告白の日の朝』だった。