虚言少女
内容紹介
かつて、引き離された悲しい恋があった。クラスメイトの突然の転入でなすすべも無く、日辻 兎(ひつじ うさぎ)はただ願うばかり。「この想いが伝えられなくてもいいですから、私たちを引き離さないでください」そんな願い事と約束から数年……彼女の幼なじみ、辰巳 一馬(たつみ かずま)は昔住んでいた街にまた戻ってきた。そして、幼なじみと感動の再開を果たす、はずが。「どうして戻ってきたのかしら。もう二度と会いたくなかったのに」突然罵声を浴びせられて戸惑う一馬。言いたくもない言葉で心を痛める兎。彼女は意中の相手に本心を伝えられない病、「恋の病」にかかってしまったのだ。果たして、二人の恋は実るのだろうか。<恋の病について>意中の相手=主人公への愛の言葉が、全てその本人にとって大音量のノイズに変わる。言われた側は言葉の内容を聞き取れず、また鼓膜を破られるような感覚にも襲われる。(実際は幻覚である)ただし、主人公とヒロイン以外は普通に聞き取ることができてしまう。この病をヒロインは隠そうとしており、また発覚した後も主人公を案じて、ノイズに変わってしまうような言葉は自ら避ける。恋の病の元凶は、かつてヒロインと主人公が幼かった頃まで遡る。主人公の引越しが決まってショックを受けたヒロインは、七夕の願い事で「この想いが伝えられなくてもいいですから、私たちを引き離さないでください」と願っていた。それを聞き届けた神様に、無理やり縁を結ぶ代償として恋の病を残すことになる。それでも良いか?とたずねられ、ヒロインも受け入れてしまう。恋の病を治すには、願い事を叶えさせる必要があるが、主人公とヒロインは気がついていない。