夏の魔女のパレード
内容紹介
現世とはほんの少し違う世界。この世界ではごく稀に不思議な力を持つ女性が生まれ、成長した女性はその力で人々を助けることが義務付けられていた。彼女たちは総じて「魔女」と呼ばれている。都会から少し離れ、取り柄というものは豊かな自然くらいしかない村「神那原村(かなはらむら)」そこで暮らす主人公、天都幸人(あまつゆきと)は村に住む近年最高の魔女「天都ユリス」の息子である。彼に魔力は一切なく、普通の青年として平凡な毎日を過ごし、これからもそんな日々が続くと思っていた。だが、そんな幸人の前に魔女見習いを名乗る三人の少女が現れる。彼女たちは一人前の魔女になるための卒業実習『魔女のパレード』のためにこの村へやってきたという。三人は天都家に居候することになり、幸人も世話役を任されることになる。ネクラで引っ込み思案な「アリサ」 強気で高飛車な「キャロル」 無邪気な「トピア」見知らぬ土地で頼れる人もいない彼女たちを放っておくことも出来ず、幸人は世話役を引き受けることにする。だが、彼の受難はこれで終わりではなかった。一緒に暮らし始めたその日の晩、アリサとキャロルは幸人に真剣な表情を向けて告げる。「「私はあなたの許嫁なんです!」」身に覚えのない約束に困惑する幸人。詳しく聞くと、彼女たちは幼いころユリスと「将来は立派な魔女になって幸人のお嫁さんになる」と約束したのだという。しかも、魔女の約束は余程のことがないと反故には出来ず、幸人が恋人を作らない限りは彼女たちから選ぶしかない。突然のことに混乱しっぱなしの幸人。そんな彼を置いて彼女たちは話を進めていってしまう。「実習が終わるまでの間に、私達のどちらかを選ぶか、恋人を作ること」 そんな一方的な提案に戸惑う彼に、追い打ちをかけるかのように学園の先輩の「あずき」が襲来。そして魔女学校に通うブラコンの妹「早紗」も帰省してきてしまう。そんな展開に、幸人はこの夏が自分の人生において一番騒がしい夏になると予感するのだった。